あの夏

私は友を捨てて走った

流れていく友を捨てて逃げたんだ

 

物語の舞台は安楽死施設が初めて建設された町。

川が目の前にあるこの町で働いている人達は

脛に傷を持つ訳アリの人間ばかり。

しかし、この夏新しく施設の職員になった女には

そういう過去は見当たらない。

自ら進んで、誰もが嫌がる仕事を選んだという。

 

「というか…私もう行くところがなくなったんですよね」

 

一方、この町でずっと過ごしてきた女がいた。

 

「夏は嫌い…“あの子”のことを思い出してしまうから」 


逃げ続けてきた女とこの町を見つめてきた女。

二人が再会した時、物語が始まる。